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蒸しは、米の中のデンプンをアルファ化すること。
麹菌が入り込みやすいように軟らかくしておくこと。
消化分解を進めやすくすること。
米を殺菌して、この後の醸造工程を安全に進めるためなどの
目的があります。
蒸しには大型の蒸篭(せいろ)で「甑(こしき)」と呼ばれるものが
使われます。
大型の蒸篭(せいろ)「甑(こしき)」から冬の冷たい空気の中で、天井に
向かって湯気が盛大に立ち上っている光景は壮大そのものです。
蒸米(じょうまい)の香りは、初めは千草の香り、終わりは若草の香りと
なるのが理想といわれています。
蔵人たちにとっては甑(こしき)で米が蒸されている約1時間は
「甑(こしき)時間」といわれ、朝食や仮眠の時間にあてられているようです。
酒造りのためだけにできる蒸米(じょうまい)ができあがると甑(こしき)から
蒸米を取り出す作業「蒸米掘り」となります。
掘った蒸米は放冷と呼ばれる作業が行われます。
ファンのついた機械で熱と蒸気を飛ばす作業です。
このあと、麹(こうじ)になる蒸米は麹室へ、掛け米になる蒸米は
酒母室または、醗酵室へ運ばれます。
【甑(こしき)倒し】
一年分の蒸し作業を終えること。
神事が行われ、杜氏と蔵人を慰労・慰安する宴会が催しされたりします。
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